Marketoを使ったお問い合わせフォームの連携方法:API送信と埋め込みフォームの比較

Web活用術

はじめに

Marketoは、マーケティングオートメーションプラットフォームとして、多くの企業に利用されています。お問い合わせフォームのデータを効率的に管理し、マーケティング活動に活用するためには、Marketoとの連携が重要です。この記事では、サイトのフォームとMarketoを連携する2つの方法、API経由でデータを送信する方法と、Marketoでフォームを作成して埋め込む方法について、それぞれのメリット・デメリット、開発工数やコスト、注意点を詳しく解説します。


API経由でお問い合わせデータを送信する方法

メリット

カスタマイズ性の高さ
APIを使用することで、フォームのデザインや機能を自由にカスタマイズできます。これにより、ブランドの一貫性を保ちながら、ユーザー体験を最適化できます。

柔軟なデータ処理
API連携を利用すると、データの前処理や追加のデータ操作が可能になります。例えば、データのバリデーションやフォーマット変換などを行い、Marketoに送信する前にデータを整えることができます。

既存システムとの統合
API連携は、既存のCRMやデータベースと統合しやすいです。これにより、シームレスなデータフローを実現し、異なるシステム間でのデータ同期を効率化します。

デメリット

開発コストと工数
API連携には、開発リソースと時間が必要です。フォームの設計からAPIエンドポイントの設定、データ送信のロジック構築など、専門的なスキルが求められます。

メンテナンスの負担
APIの変更や更新が発生した場合、連携部分のコードを修正する必要があります。これにより、継続的なメンテナンスが必要となり、リソースが消耗されます。

セキュリティの考慮
API連携では、セキュリティ対策が重要です。データ送信時の暗号化や認証、アクセス制御などを適切に実装する必要があります。

開発工数とコスト

API連携の開発には、以下のような工数とコストがかかります。

  • 要件定義と設計: 約20〜40時間
  • APIエンドポイントの設定: 約10〜30時間
  • データ送信ロジックの構築: 約20〜40時間
  • テストとデバッグ: 約20〜30時間
  • 合計: 約70〜140時間

開発コストは、開発者の時給や開発環境に依存しますが、総額で数十万円から百万円程度が目安となります。

ただし、複数のフォームを連携するケースも多く、要件定義と設計APIエンドポイントの設定データ送信ロジックの構築は一度作ってしまえばあまりかかりません。
なので複数用意して経過測定も含め運用するのが効果的かつ1フォームあたりの単価を下げることにもなります。


Marketoでフォームを作成して埋め込む方法

メリット

簡単な実装
Marketoのフォームビルダーを使用することで、コードを書くことなく簡単にフォームを作成できます。作成したフォームをウェブサイトに埋め込むだけで連携が完了します。

迅速な展開
フォームの作成と埋め込みが迅速に行えるため、短期間での導入が可能です。これにより、マーケティングキャンペーンのスピードを速めることができます。

自動データ同期
Marketoのフォームを使用することで、送信されたデータが自動的にMarketoのデータベースに同期されます。手動でのデータ入力が不要になり、データの一貫性と正確性が向上します。

デメリット

カスタマイズの制限
Marketoのフォームビルダーにはカスタマイズの制限があります。デザインや機能を自由に変更できないため、ブランドガイドラインに完全には一致しない場合があります。

統合の柔軟性不足
他のシステムとの高度な連携が難しい場合があります。既存のCRMやデータベースとの統合には、追加の開発が必要となることがあります。

開発工数とコスト

Marketoのフォームビルダーを使用する場合、開発工数とコストは大幅に削減されます。

  • フォームの作成: 約2〜5時間
  • 埋め込みコードの設置: 約1〜3時間
  • テストとデバッグ: 約2〜5時間
  • 合計: 約5〜13時間

総コストは、工数と開発者の時給に依存しますが、API連携に比べて非常に低コストで済みます。

こちらはAPIとは違い、1つ目のフォームもそれ以降も工数はさほど変わりません。


注意点

API連携の場合

  • セキュリティ: データ送信時の暗号化や認証、アクセス制御を適切に実装する。
  • エラーハンドリング: APIエラー時の適切な対応策を準備する。
  • データ整合性: データのバリデーションとフォーマット変換を行い、Marketoに正確なデータを送信する。

埋め込みフォームの場合

  • デザインの一貫性: Marketoのフォームデザインがサイト全体のデザインに合うように調整する。
  • パフォーマンス: 埋め込みフォームがサイトのパフォーマンスに影響を与えないように最適化する。
  • テスト: フォームの動作を徹底的にテストし、すべてのデバイスとブラウザで正しく機能することを確認する。

まとめ

Marketoを使ったお問い合わせフォームの連携には、API経由でデータを送信する方法と、Marketoでフォームを作成して埋め込む方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、プロジェクトの要件に応じた方法を選択することが重要です。

API連携のメリット: カスタマイズ性の高さ、柔軟なデータ処理、既存システムとの統合。

API連携のデメリット: 開発コストと工数、メンテナンスの負担、セキュリティの考慮。

埋め込みフォームのメリット: 簡単な実装、迅速な展開、自動データ同期。

埋め込みフォームのデメリット: カスタマイズの制限、統合の柔軟性不足。

各方法の開発工数とコストを考慮し、適切な連携方法を選択して、効果的なお問い合わせフォームの運用を実現しましょう。

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