UAT(User Acceptance Testing)は、ユーザーが実際にシステムを利用して、問題点や使いにくさを洗い出すテストです。開発者目線とは異なるユーザー目線でのテストを実施することで、リリース後のトラブルを未然に防ぎ、顧客満足度の高いシステムを開発することができます。
1. UATとは?
UATは、ユーザー受け入れテストの略称です。システム開発の最終段階において、実際にシステムを利用するユーザーがテストを実施することで、開発者目線では気づきにくい問題点や使いにくさを発見し改善することを目的としています。
2. UATの重要性
- ユーザー目線のテスト: 開発者目線とは異なるユーザー目線でのテストを実施することで、より実用的な視点からの改善が可能になります。
- リリース後のトラブル防止: UATで問題点を発見し改善することで、リリース後のトラブルを未然に防ぎ、顧客満足度の高いシステムを開発することができます。
- 開発コストの削減: リリース後に問題が発覚し修正を行うよりも、UAT段階で問題点を発見し修正することで、開発コストを削減することができます。
3. UAT実施のタイミング
UATは、システム開発の最終段階、システムテスト完了後に実施されます。
4. UATの具体的な実施方法
1. テスト計画の作成
テストの目的、対象範囲、スケジュール、テストケースなどを明確に定義します。
- テストの目的: リリース前に不具合を発見し、修正することで、システム品質を向上させる
- 対象範囲: 新規開発された機能、修正された機能、既存の機能
- スケジュール:
- テスト計画策定: 2023年12月20日
- テストケース作成: 2023年12月21日~2023年12月25日
- テスト実行: 2023年12月26日~2023年12月31日
- テスト結果分析: 2024年1月1日~2024年1月5日
- テストケース:
- ログイン機能:
- 正しいユーザー名とパスワードでログインできること
- 間違ったユーザー名とパスワードでログインできないこと
- パスワードを忘れた場合、パスワード再設定機能が利用できること
- 商品検索機能:
- キーワード入力で該当商品が表示されること
- 価格帯やカテゴリーで絞り込み検索ができること
- 並べ替え機能が利用できること
- ログイン機能:
次に、テストケースを、ユーザーの代表的な利用シナリオに基づいて作成します。
- ログイン機能:
- 新規ユーザーが登録し、ログインできること
- 既存ユーザーがログインできること
- ログイン後、マイページにアクセスできること
- 商品購入機能:
- 商品詳細ページで商品情報を確認できること
- 複数の商品をカートに入れること
- 支払い方法を選択し、購入できること
- 購入履歴を確認できること
上記はあくまで一例であり、実際のテスト計画はプロジェクトの規模や内容によって異なります。
2. テスト環境の準備
- 本番環境に近いテスト環境を用意する必要があります。
- テストデータも本番データに近いものを準備する必要があります。
3. テスターの選定
- 実際のシステムユーザーとなる人をテスト参加者として選定します。
- さまざまな属性やスキルを持つユーザーを選定することで、より多様な視点からのテストを実施することができます。
4. テストの実施
- テストケースに基づいて、実際にシステムを操作しながらテストを実施します。
- テスターは、問題点や使いにくいと感じた点を記録します。
5. テスト結果の分析
- テスト結果に基づいて、問題点の修正を行います。
- 修正後、再度テストを実施し、問題が解決されたことを確認します。
5. UATの実例
ECサイト開発におけるUAT
- テスト対象:ECサイト
- テスト参加者:実際にECサイトを利用する顧客
- テストケース:
- 商品検索
- 商品購入
- 返品・交換
- テスト結果:
- 商品検索機能で一部の商品が表示されない問題
- 購入手続き中にエラーが発生する問題
- 修正内容:
- 商品検索機能の改善
- 購入手続きの修正
6. まとめ
UATは、リリース後のトラブルを未然に防ぎ、顧客満足度の高いシステムを開発するために重要な役割を果たします。この記事を参考に、ぜひUATを理解し、自社のシステム開発に活用してください。